

湿布には「冷湿布」と「温湿布」の二種類があります。そして、皮膚の上にも「冷たいと感じるセンサー」と「温かいと感じるセンサー」の二種類があります。湿布を貼ると冷たかったり、温かいと感じますが、センサーによって感じ取っています。
湿布には温めたり、冷やしたりする効果があるように思われていますが、実のところその効果はあまりありません。
冷湿布の効果 |
冷たいと感じるセンサーの能力を上げる。
冷たくする効果はあまりなく、カラダ表面の血行を良くする。 |
温湿布の効果 |
温かいと感じるセンサーの能力を上げる。
温める効果はあまりなく、 カラダ表面の血行を良くする。 |
このことは、冷湿布を温かい缶コーヒーに貼っても温度が下がらないのを見てもらえば分かると思います。どちらの湿布も皮膚の血行を少しだけ良くする効果があります。深層の筋肉を冷やしたり、温めたりといった効果はほとんどありません。
ケガの直後にRICESの代わりに湿布を張る行為は、温度を下げるという視点からすると非効率的です。
では一体、湿布は何のためにやってるのでしょうか?

湿布は確かに痛みに対して有効です。このことは二つの観点から立証されています。
まずは、痛みの通り道のお話。
痛みは、カラダ中に張り巡らされている神経によって脳まで運ばれて、そこで痛みとして認識されます。
もちろん、「冷たい」「温かい」という感覚も神経によって脳へ伝えられています。神経にもいろんな性能のものがあり、フェラーリと軽自動車のスピードが違うように、神経も太さや伝えるスピードが異なるものが何種類もあります。
湿布をペタッと張ることによって、「触られている」という感覚がおこります。このときに活動する神経は、カラダの中で最も太くスピードも早い、フェラーリタイプの神経です。一方、「痛い」というときに働く神経は、神経の中でもランクが低いもので、軽自動車タイプです。
この二台が競争したら、どちらが先にゴール(脳)にたどり着くと思いますか?
答えはもちろん、フェラーリタイプです。
脳には、先にやってきた情報を処理することに力を注ぎ、後からやってきた情報には無関心であるという傾向があります。先にゴールしたフェラーリタイプの言うことは聞いてくれますが、後からやってきた軽自動車の言っていることはほとんど聞いてはくれません。
つまり「触られている」という感覚・神経が、 「痛い」という感覚・神経をブロックしてしまうのです。
湿布を貼ることによって、カラダの触覚が反応し、脳へ真っ先に情報が送られます。その後やってきた少ない情報の痛みは、あまり感じ取られなくなるという仕組みになっています。これは「イタイのイタイの飛んでけ」にもつながり、触ってあげることで少しでも痛みを和らげようとしているのです。
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※神経の中でも、フェラーリのように速度の速い「触覚」が
他の感覚をブロックします。 |

そしてもう一つのお話、湿布の中に含まれる有効成分について。
湿布の中にメンソールやカプサイシン(とうがらしの成分)、インドノールやケトプロフェンというものが含まれているのをどこかで聞いたことがあるかもしれません。前者は、先程言ったセンサーの能力をアップさせるのに使われています。
それに対して、後者は「消炎鎮痛成分」と呼ばれるもので、こちらがカラダの痛みに対して有効です。
呼んで字の如く、「炎症を消して痛みを鎮める」成分です。これは痛みや炎症に対して非常に有効なのですが、原因を治すわけではありませんので、長期間にわたって使用するのは避けたほうがいいです。慣れてしまうことがよくあります。
また、有効成分の刺激が強すぎたり、水分のあまり含まれていない湿布を長時間使用すると、かぶれの原因になります。特にベージュ色の水分の入っていない湿布はかぶれを引き起こしやすいので、取り扱いには注意が必要です。
以上の点をふまえて、湿布を有効に使ってあげてください。
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