

当院では本当の腰椎椎間板ヘルニアは治せません。カラダの外からどれだけ押そうが、グキッと腰をひねらせようが、飛び出しているものを中に押し込めるのは不可能です。どんな機械を使っても無理です。自然に吸収されるか、手術で取り除くかのどちらかです。しかし、先程読んでいただいたように、実際のヘルニアというのは多くは見られません。
ほとんどが、椎間板のヘルニア以外に原因があって痛みを出しているものだと考えられます。さまざまな条件が揃って、激しい症状を引き起こす腰椎椎間板ヘルニアとなります。その検査・鑑別・治療の際、重要になってくるのは、「診る」「聴く」「触る」です。
患者さんのカラダを診るのです。レントゲンやMRIなどの画像だけを見て判断するのではありません。カラダの動き、固さ、筋肉の状態、腱の状態、関節の状態、呼吸の仕方、瞳孔の状態、歩行状態など、患者さんのカラダには治療に関わる多くのヒントが隠れています。
患者さんのカラダの声を聴くのです。多くの患者さんが、テレビや雑誌、周囲の人から間違った知識を植え付けられ、その思い込みによって症状が長引くことも事実です。「腰痛=○○が原因だ」という断定的な情報によって、固定観念が形成され、それが心もカラダも縛り付けます。このとき大切なのは、患者さんの頭にこびりついた固定観念を聞くのではなく、カラダから発せられたヒントたちを入念に探っていくことです。
患者さんのカラダに触るのです。触らないでその人がどう感じているのか、どういう状態なのか分かるでしょうか?もともと医療は「手当て」空始まったものです。手を触れて初めて医療だといえるのではないでしょうか?
この三つをふまえたうえで、「この患者さんにとって、今現在どのような治療法が最適か?」ということを常に考えて治療しています。ですので、治療方法を増やしたり、変更したりすることもあります。
※頭にこびりついた固定観念の例
「首がまっすぐだから、首が痛い」「カラダが歪んでいるから症状が出る」「背骨が曲がっているから○○だ」という言葉を聴いたことはありませんか?こういったものは、全て症状であって原因ではありません。痛いのも症状だし、カラダが腫れるのも症状です。それと同じでカラダが歪むのも症状だし、首がまっすぐになるのも症状です。特殊な症状に頭の中を縛り付けられると、いつまでたっても状態は改善しません。原因はもっと他の部分に潜むものです。

多くの原因が腰の痛みとして考えられますが、患者さんを診ていると次のことが原因になっている方が多く見受けられます。これは自分自身も含め、医療機関全体が気をつけていかなければならないことです。
- 不十分な検査・説明
- 医療機関・医師・施術者の事務的な冷たい態度
- 上からの視点で患者に見下すように接する医療関係者
- 病院のたらい回し
- どこに行ってもまったく違う原因を言われる
これらのことが患者さんのストレスとなり、確実に症状を悪化させます。痛みセンサーは「痛み」だけでなく「心のストレス」にも反応します。医療機関が原因となって痛みを解放できない方が、近年増加しているように思えます。自分自身も常に気をつけているつもりです。もう一度自分の周囲の医療機関を思い出してください。
もしかしたら、それが大きな原因かもしれませんよ。
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